こんなんでも一端の女子だった
お盆という行事をイマイチ理解していない。
ご先祖様があの世から家族のところに帰ってくることだという(検索した)。
何をするのかも分かっていない。何故なら実家でお盆に何かした記憶がないからだ。多分、何かしてたんだと思う。でも特に印象にない。何ならお盆だからといって実家に帰省することもなかった人生を送って来てしまった。ただ単に不定休だから休みでなかった、というのもあるのだがとにかくお盆に対しての思い入れが薄いのは確かだ。
しかしながらこの度晴れて結婚した私は、くろさんの実家のお盆に参加するらしい。
聞くところによると、親戚一同が集まるらしい。
しかも結婚したばかりのくろさんは今年のお盆の主役らしい。
私はくろさんのご家族以外の方とは初対面となるわけで、今からすでに緊張しているのだが、まずお盆に(お盆お盆すみません)何をするのか分かってない時点でダメだと思う。何というか、日本人として落ちこぼれな気がするのである。
ありがたいことにくろさんは私の実家にも顔を出したいと言ってくれたので、お盆は両家に訪れることとなる。うちの実家はお盆をちゃんとやれるのだろうか?というよく分からない不安もあるのだが、とにかく今年はお盆にちゃんと帰省できるので、お盆らしい何かしらをしてくるのではないかと思う。
私の実家のことはこの際何も問題はないのだ、私としては。
何が問題かというとくろさんの親戚の方々と会うことだ。私は考えていた。何を着ていこう…と。やはりこの歳になっても女子である。
第一印象はよくしたい。清楚系のワンピースか?いや、あんまり気合を入れすぎるのも場にそぐわない気がする。ちょっとラフな格好がいいか?いやいや、自分基準のラフって本当にラフだ。もっとちゃんとした、でもそんなにお上品に見えない感じの、初デートのときみたいな……。イオンの中をぐるぐると歩き回りながら考えた。
やっぱり無難にワンピースがいいかなあ、自分の中でやっと結論が出て清楚なワンピースを探す。何かこれ透け透けだな、これは丈が長過ぎるし、こっちは清楚じゃないなあなんて2時間も探した。思い浮かべていたワンピースはなかった。
私は諦めることにした。
そして一人で決めるのはやめようと思った。
結局私はペンなどの画材のみを購入して、家路についたのだった。