ひたすら幸せになりたい系女子

ひとりごとをぼそぼそ呟く雑記ブログ

いつか黒歴史だと思うんだろうけど、私は残しておきたい

君の第一印象は人見知りしそうな人だな、だった。

それでも特に困らなそうな人だとも思った。人に対して、というと語弊がある。異性に対して、が正しい気がする。

とにかく私とは縁遠そうな人間に見えたのは確かだった。

私はその頃、SNSで知り合った男性と仲良くしていて、私は彼が好きだった。君と出会ったのもその彼の紹介だったのだけど、私は彼のことしか頭になくて、君には興味を抱けなかった。

初めて出会ったのは青空の遠い夏だったのを覚えている。

 

それから1、2ヶ月のペースで飲み会があった。

誰からも嫌われるのを嫌う私は、君ともコミュニケーションを取りたかった。君は自分から自分のことを話さないから、君が何が好きで、休日はどんなことをしていて、趣味は何なのか、どういう女の子が好きなのか、まるでお見合いの話題のようなことを詮索するのに時間が掛かった。未だに君の本心や好みは把握しきれてないから、そういうことはあまり自分から言いたくないタイプなのかもしれないし、人に伝えることに必要性を感じていないのかもしれない。

でも君は私のことを根掘り葉掘り聞いてきた。

私には借金があった。そのことについてだった。

ギャンブルで作った借金は、君にとって異次元のことだったのだろうね。何で?どうして?どうするの?って聞かれることがその頃は苦痛だった気がする。私はギャンブルと、SNSで知り合った彼が、唯一の寂しさの捌け口だったから否定されると困ってしまった。

だから君のことは苦手だった。

否、苦手になっていった。

これ以上は仲良くなれないと勝手に線を引いた。

 

それでも飲み会があれば会った。

いなくても困らないけど、いても空気のように重くならない人だった。

 

私たちが連絡先を交換したのは出会ってから2回目の冬だった。

きっかけは覚えていないけれど、多分何となくだったと思う。SNSの彼がいなくて寂しいときや暇でどうしようもないときに何気なく連絡した。

ある日君から朝早くにメッセージがあった。

今日暇?

精神的な不調で仕事を退職した私はいつでも暇を持て余していたから、暇だよと返した。でも平日の朝からこんな連絡がくるなんて不思議だった。仕事は?と聞くと遅刻したから休む、とのことだったので疑問はすぐに解決した。

昼食を一緒に食べた。おしゃれな喫茶店なんて久しぶりに入った気がする。

思わず写真を撮りたくなるようなきれいで美味しそうなナポリタンスパゲッティを注文した。君はオムライスが好きだと言って注文し、すぐさま平らげた。私は待たせたら悪いなと思って急いで食べたような覚えがある。

でも君と食べたスパゲッティはとても美味しかった。

 

それから一緒にごはんを食べることが多くなった。

わざわざ遠くの市までハンバーグを食べに行ったり、私の1Kの部屋で唐揚げを食べたり、そのままお酒を飲んで泊まって行ったりもした。

寝つきが悪い私に夜中起こされてお喋りに付き合わされて、迷惑だなと思ったこともあったかもしれない。一緒のベッドで寝たこともあった。酔っ払ってたから、結婚してって冗談で言ったこともあった。

君はその頃お見合い相手がいて、私はきっと無意識にヤキモチを焼いていたんだと思う。こんなに仲良くなったのに、私じゃなくて、お見合い相手と遊ぶの?って。

もう君のことが気になってたんだ。

君は知らなかっただろうけど。

 

仕事のない私は、実家に帰ることになった。

SNSの彼や君と離れるのが寂しくて、自分が情けなくて、髪を切った。

肩まであった髪が随分と軽くなって、風の冷たい季節には不似合いだなと思った。

 

君は私が連絡をすれば必ず返信してくれた。

3時間も掛けて実家に遊びにも来てくれた。

私が大事だと思っていたSNSの彼は、距離と一緒に離れてしまった。

付き合ってたわけじゃないけど、一緒にいた時間は長かったはずなのに。

 

実家に初めて遊びに来てくれた日の夜を覚えているだろうか。

好きです、私と付き合って下さい。ギブアンドテイクでどうですか。

あまりにも可愛げのない告白をした私と、悩む君。

はい、と言ってくれた時、本当に安心した。

 

付き合ってからは君のことがどんどん好きになっていった。

君は、告白された時は好きじゃなかったって言ってたけど、すぐ好きになっていったって言ってくれた。

今は大好き、愛してるって言ってくれる。

 

遠距離だったから、電話で同棲を決めて。

すぐにうちの両親に挨拶に来てくれた。

結婚の話をして、出張後の君は疲れたって言いながらも市役所まで婚姻届を運んでくれた。

 

君のお陰で幸せになった。

今度は君を幸せにしたいんだ。

一緒に幸せになろうね。